M2681Sx,M2682Sx,M2684Sx:スイッチの設定
設 定
HDD をシステムに搭載する前に,ユーザは以下の設定端子およびSCSI終端抵抗のセッティングを行う必要があります.
−設定端子:CNH1,CNH2
−SCSI終端抵抗:RP1
図1 に,これらの設定端子とSCSI終端抵抗モジュールの位置を示します.
- 重 要
- 本節に記述されていない設定端子は,ユーザによる変更が禁止されています. 工場出荷時の設定状態を変更しないで下さい。
- 電源投入状態で,設定端子の設定変更およびSCSI終端抵抗モジュールの着脱を行わないで下さい。
- 設定端子の短絡には,工場出荷時に装着されている専用短絡プラグを使用してください。
図1 設定端子と終端抵抗の位置
- 重 要
- 以下の説明において, 設定端子の"ショート"および"オープン"は次の意味で使用されています.
ショート:指定されるピン間に短絡プラグを取り付けた状態
オープン:指定されるピン間から短絡プラグを取り外した状態
1.設定端子(CNH1,CNH2)
設定端子の種類と工場出荷時の設定状態を図2 に示します.
図2 設定端子(CNH1およびCNH2)
(1) SCSI ID
表1 に示すように HDD自身の SCSI IDを設定します. ただし, 外部オペレータパネルからSCSI ID を設定する場合は, すべてオープンにしておく必要があります.
表1 SCSI ID の設定 (CNH1)
SCSI ID | 5-6 | 3-4 | 1-2 |
0 | オープン | オープン | オープン * |
1 | オープン | オープン | ショート |
2 | オープン | ショート | オープン |
3 | オープン | ショート | ショート |
4 | ショート | オープン | オープン |
5 | ショート | オープン | ショート |
6 | ショート | ショート | オープン |
7 | ショート | ショート | ショート |
*工場出荷時の設定
- 重 要
- 同一のSCSIバス上に接続されるSCSIデバイス間で, 重複したSCSI ID が存在しないように設定して下さい.
- ARBITRATION フェーズで競合した場合のSCSIバス使用権の優先順位は,以下のように SCSI IDによって決まります.
7>6>5>4>3>2>1>0
(2)モータ起動モード
表2 に従って, HDD のスピンドルモータの起動制御方法を設定します. この設定は電源投入時の動作モードを決めるだけであり, どちらのモードを選択しても,スピンドルモータの停止および再起動は START/STOP UNITコマンドで制御することができます.
表2 モータ起動モードの設定(CNH1)
スピンドルモータの起動タイミング | 13-14 |
電源投入後, 直ちにモータが起動される. | ショート * |
モータの起動はSTART/STOP UNIT コマンドで制御 | オープン |
*工場出荷時の設定
(3) SCSI バスパリティ
SCSIデータバスのパリティビットのチェックを行うか否かを, 表3 に従って設定します.
表3 SCSIバスパリティの設定(CNH1)
HDDによるSCSIデータバス のパリティチェック | 9-10 |
実行する | ショート * |
実行しない | オープン |
*出荷時の設定
(4) ユニットアテンション報告モード
HDD がユニットアテンション条件を保持しているときに受け取ったコマンドに対する応答方法を, 表4 に従い設定します. この設定はシステムの要件によって選択しますが, SCSI標準仕様 (出荷時の設定) を使用することを推奨しています.
表4 ユニットアテンション報告モードの設定(CNH1)
ユニットアテンション条件保持状態時のHDD の応答 | 7-8 |
INQUIRY コマンド, REQUEST SENSE コマンド, またはPRIORITY RESERVEコマンド以外のコマンドに対してはCHECK CONDITION ステータスを応答する.(SCSI標準仕様) | ショート* |
受け取ったすべてのコマンドは, 正常に実行する. (ユニットアテンション条件に起因したCHECK CONDITION ステータスは報告されない. ) | オープン |
*工場出荷時の設定
(5) SCSIレベル
- INQUIRYコマンドでHDD からイニシエータに報告するデータの表示内容を表5 に従って設定します. 設定するモードは, システムのソフトウェアの要件によってどちらかを選択します.
- SCSI-1/CCS モードを選択した場合には, MODE SENSEコマンドの動作およびMODE パラメタの仕様は以下のようになります.
- MODE SENSEコマンドでページコード3Fを指定した場合
- ページ7,ページ8,ページA,21,22 およびページ38 は転送しません.
- ページ1,ページ2,およびページ4 CCSの規定長で転送します.
- MODE SENSEコマンドでページ1,ページ2,およびページ4 を個別に指定された場合は,CCS の規定長で転送します.
- MODE SENSEコマンドでページ7,ページ8,またはページA を個別に指定された場合は,現仕様で転送します.
- MODE パラメイタのVERIFYリカバリパラメイタはページ1のリカバリパラメイタを使用します.
- SCSI-1(CCS) モードを選択して REQUEST SENSEコマンドが転送バイト長= X'00'で発行された場合HDD は, 4バイトのセンスデータを転送します.
表5 SCSIレベルの設定(CNH1)
モード | INQUIRYデータ | INQUIRY VPD情報 | 11-12 |
バイト2, ビット2〜0 (ANSI Version) |
バイト3, ビット3〜0 (Response Data Format) |
バイト7 (装備機能) |
SCSI-2 モード |
'0,1,0'
(SCSI-2) |
'0,0,1,0'
(SCSI-2) |
ビット対応にHDDに装備されている機能を示します |
有 効 |
ショート * |
SCSI-1/CCS モード |
'0,0,1' =ANSIX3.131-1986 (SCSI-1) |
'0,0,0,1' =ANSIX3T9.2/85-52 (CCS) |
全ビット'0' |
無 効 |
オープン |
*出荷時の設定
(6) SCSI 終端抵抗用電源
表6に従って, HDD 上のSCSI終端抵抗モジュールへの電源供給方法およびSCSIバス上のTERMPWR線の使用方法を設定します. 図3 に, HDD のSCSI終端抵抗回路の構成を示しています.
表6 SCSI終端抵抗用電源の設定 (CNH2) Single-Ended型SCSI
SCSI 終端抵抗への電源供給方法 | 3-4 | 1-2 |
終端抵抗には, HDD 自身およびTERMPWR ピンの双方から電源を供給します.
また, TERMPWR ピンにはHDD から電源を供給します. |
ショート |
ショート * |
TERMPWR ピンは未使用とします. HDD 上の終端抵抗には, HDD 自身だけから電源を供給します. |
オープン |
ショート |
終端抵抗には, HDD 自身の電源は供給しません. HDD 上の終端抵抗には, TERMPWR ピンだけから電源が供給されます. |
ショート |
オープン |
*工場出荷時の設定
- 備 考
- HDD がSCSIケーブルの両端以外の位置に接続される場合には, HDD 上には終端抵抗モジュールは搭載しません.
図3 SCSI終端抵抗回路の構成
2.SCSI終端抵抗
工場出荷時, HDD にはSCSI用終端抵抗モジュールが搭載されています. 搭載位置については, 図1 を参照してください. これらの終端抵抗モジュールはソケット実装されており, SCSIバス上への HDDの接続位置によって, 以下のどちらかとします.
a) SCSIケーブルの両端のどちらかに HDDを接続する場合は, 終端抵抗モジュールは搭載したままとし, 取り外してはいけません.
b) SCSIケーブルの両端以外の位置に HDDを接続する場合は, 搭載されている終端抵抗モジュールを取り外します.
- 重 要
- 終端抵抗モジュールを取り外すときは, 適切な工具を使用し, 抵抗モジュールのピンおよび搭載用ソケット, または近接の他の部品にダメージを与えないように十分注意してください.
- 終端抵抗モジュールを再取付けする場合は, 搭載方向に注意し, 確実に装着されていることを確認してください (図4 に示す) .
図4 SCSI終端抵抗モジュール
目次へ戻る。