M2651S/H,M2652S/H/HD,M2653S/H,M2654S/H/HD:設定
HDDをシステムに塔載する前に,ユーザは以下の設定端子およびSCSI終端抵抗のセッティングを行う必要があります.
- 設定端子: CN3/#CN4(外部オペレータパネル用コネクタと共通,#--- M265xHDタイプにだけ搭載)
設定端子: NCH1,CNH2,CNH4,#CNH5,CNH6(#--- M265xHDタイプにだけ搭載)
- SCSI終端抵抗
図1,図2,図3,図4および図5に,これらの設定端子とSCSI終端抵抗モジュールの位置を示します.
- 留意
-
- 本節に記述されていない設定端子は,ユーザによる変更が禁止されています.工場出荷時の設定状態を変更しないで下さい.
- 電源投入状態で,CN3/#CN4以外の設定端子の設定変更およびSCSI終端抵抗モジュールの着脱を行わないで下さい.
- CN3または#CN4については,電源投入状態で設定状態を変更して構いませんが,以下の設定値は,電源の再投入またはSCSIバスのRESETコンディション後に,はじめて有効となります.
- 設定端子の短絡には,工場出荷時に装着されている専用短絡プラグを使用して下さい.
図1 M265xSインタフェースPCA(基板版数02版)→
図2 M265xSインタフェースPCA(基板版数03版以降)→
図3 M265xHインタフェースPCA(基板版数02版)→
図4 M265xHインタフェースPCA(基板版数03版以降)→
図5 M265xHDインタフェースPCA →
1 設定端子(CN3/#CN4)
設定端子(CN3および#CN4)の形状と工場出荷時の設定状態を図6に示します.この設定端子は,外部オペレータパネルを接続するためのコネクタとしても使用できます.
# CN4はM265xHD(DUAL PORT)タイプにだけ搭載
図6 設定端子(CN3/#CN4)
- 重要
-
- 以下の説明において,設定端子の“ショート”および“オープン”は次の意味で使用されています.
- ショート:指定されるピン間に短絡プラグを取り付けた状態
- オープン:指定されるピン間から短絡プラグを取り外した状態
- CN3および#CN4は,この設定端子に割り付けられている機能のすべてまたは一部を外部から設定するためのオペレータパネルを接続できます.
- デュアルポートのM265xHDでは,CN3はA-PORTのSCSI IDとPORT ENABLEを定義し,CN4はB-PORTのSCSI IDとPORT ENABLEを定義します.
- WRITE許可/禁止,オフライン自己診断許可/停止やユーザ設定禁止などの端子はSCSI PORTから独立しており,CN3のピン(15-20)によって選ばれます.
- CN3のピン(9-14)とCN4のピン(9,10)は使用できません.
(1) SCSI ID
表1に示すようにHDD自身のSCSI IDをCN3/#CN4によってポートごとに設定します.
表1 SCSI IDの設定(CN3/#CN4)
SCSI ID | 01-02 | 03-04 | 05-06 |
0 | オープン | オープン | オープン |
1 | ショート | オープン | オープン |
2 | オープン | ショート | オープン |
3 | ショート | ショート | オープン |
4 | オープン | オープン | ショート |
5 | ショート | オープン | ショート |
6 | オープン | ショート | ショート |
7 | ショート* | ショート* | ショート* |
* 工場出荷時の設定
# CN4はM265xHD(DUAL PORT)タイプにだけ搭載
- 重要
-
- 同一のSCSIバス上に接続されるSCSIデバイス間で,重複したSCSI IDが存在しないように設定して下さい.
- ARBITRATIONフェーズで競合した場合のSCSIバス使用権の優先順位は,以下のようにSCSI IDによって決まります.
7 > 6 > 5 > 4 > 3 > 2 > 1 > 0
(2) PORT ENABLE SWITCH
設定端子(CN3/#CN4)のピン07-08間は,HDDのSCSI PORTを有効/無効にさせるための端子です(表2に示します).通常は,この設定端子はショート状態にしておいて下さい.
表2 SCSI PORT ENABLEの設定(CN3/#CN4)
PORT ENABLE MODE | 07-08 |
無効(DISABLE) | オープン |
有効(ENABLE) | ショート* |
* 工場出荷時の設定
# CN4はM265xHD(DUAL PORT)タイプにだけ搭載
(3) WRITE許可/禁止
設定端子(CN3)のピン15-16間は,HDDに対して書き込みを許可/禁止させるための端子です.(表3に示します).通常は,この設定端子はショート状態にしておいて下さい.
表3 WRITE許可/禁止の設定(CN3)
WRITE許可/禁止 | 15-16 |
WRITE禁止 | オープン |
WRITE許可(通常モード) | ショート* |
* 工場出荷時の設定
(4) オフライン自己診断
設定端子(CN3)のピン17-18間は,HDDのオフライン自己診断を起動/停止させるための端子です(表4に示します).オフライン自己診断では,HDDのコントローラ機能の正常性やディスクドライブのリード/ライト基本動作をテストすることができます.
通常は,この設定端子はショート状態にしておいて下さい.
表4 オフライン自己診断の設定(CN3)
オフライン自己診断 | 17-18 |
実行(診断モード) | オープン |
停止(通常動作モード) | ショート* |
* 工場出荷時の設定
(5) 外部リセット(ユーザ設定禁止)
設定端子(CN3)のピン19-20間は,HDDのデバッグを目的として利用するためや,外部からリセットをかけることを目的として利用するための端子です.通常は短絡しないようにして下さい.
表5 外部リセットの設定(CN3)
ユーザ設定禁止 | 19-20 |
リセット状態 | ショート |
通常動作 | オープン* |
* 工場出荷時の設定
2 設定端子(CNH1, CNH2, CNH3, CNH4, #CNH5, CNH6)
設定端子の種類と工場出荷時の設定状態を図7に示します.
- 重要
- 以下の説明において,設定端子の“ショート”および“オープン”は次の意味で使用されます.
- ショート:指定されるピン間に短絡プラグを取り付けた状態
- オープン:指定されるピン間から短絡プラグを取り外した状態
# CNH5はM265xHD(DUAL PORT)タイプにだけ搭載されています.
図7 設定端子(CNH1, CNH2, CNH3, CNH4, #CNH5, CNH6)
(1) LED表示条件
フロントパネル面のLED,または外部オペレータパネル上のLED点灯条件を,表6に従い設定します.
表6 LED表示条件の設定(CNH1)
LEDの表示条件 | 1-2 |
HDDがSCSIコマンドを動作中に点灯 | ショート* |
ディスクドライブがシーク完了状態(READY)であれば常に点灯 | オープン |
* 工場出荷時の設定
(2) SCSIレベル
- INQUIRYコマンドでHDDからイニシエータに報告するデータの表示内容を,表7に従って設定します.設定するモードは,システムのソフトウェアの要件によってどれかを選択します.
- SCSI-1/CCSモードを選択した場合には,MODE SENSEコマンドで転送するパラメタを次のとおりにします.
- ページコード3Fを指定した場合
- ページ7,ページ8およびページAは転送しないで下さい.
- ページ1,ページ2およびページ4はCCSの規定長で転送して下さい.
- ページ1,ページ2およびページ4を個別に指定された場合は,CCSの規定長で転送して下さい.
- ページ7およびページAを個別に指定された場合は,現仕様で転送して下さい.
- ページ8を個別に指定された場合は,12バイト長で転送して下さい.
- VERIFYのリカバリパラメタにはページ1のリカバリパラメタを使用して下さい.
- SCSI-1/CCSモードを選択してREQUEST SENSEコマンドが転送バイト長=X'00' で発行された場合,HDDは4バイトのセンスデータを転送して下さい.
- SCSI-1/CSSモードを選択した場合,HDDから開始するSYNCHRONOUS DATA TRANSFER REQUESTメッセージの交換時に送信するTransfer PeriodとREQ/ACK Offset値をそれぞれX'32'とX'07'とします.
表7 SCSIレベルの設定(CNH1)
INQUIRYデータ | INQUIRY VPD情報 | 3-4 |
モード | バイト3,ビット3〜0 (ANSI Version) | バイト3,ビット3〜0 (Response Data Format) | バイト7 (装備機能) |
SCSI-2 モード | '0, 1, 0' (SCSI-2) | '0, 0, 1, 0' (SCSI-2) | ビット対応に,HDDに装備されている機能を示す. | 有効 | ショート* |
SCSI-1/CCS モード | '0, 1, 0' =ANSIX3.131-1986 (SCSI-1) | '0, 0, 1, 0' =ANSIX3T9.2/85-52 (CCS) | 全ビット '0' | 無効 | オープン |
* 工場出荷時の設定
(3) 同期モードデータ転送
表8に従って,同期モードデータ転送要求を許可するか否かを設定します.
表8 同期モードデータ転送要求の設定(CNH1)
同期モード転送 | 05-06 |
許可 | ショート* |
禁止 | オープン |
* 工場出荷時の設定
- 重要
-
- 本設定端子の設定は,非同期モード転送の動作には何も影響を与えません.
- 同期モード転送要求を禁止するように設定した場合は,HDDは以下のように動作します.
- イニシエータからSYNCHRONOUS DATA TRANSFER REQUESTメッセージが送られてきた時は,HDDは正常に応答し,同期モードデータ転送を可能とします.
- HDDからイニシエータに対して,SYNCHRONOUS DATA TRANSFER REQUESTメッセージを送信することはありません.
- 同期モードデータ転送での最大データ転送速度は,HDDとイニシエータ間でのSYNCHRONOUS DATA TRANSFER REQUESTメッセージの交換によって決定されます.
イニシエータは,システムのSCSIバスの信号伝送特性とイニシエータ自身のデータ受信能力を十分に考慮して,メッセージ交換時にHDDに送信するパラメタを決定する必要があります.
HDDは最大10MB/sまでの同期転送が可能です.しかし,SCSIバスやシステムとの転送特性の違いなどを考慮して,各々のシステムのために実現可能な最大データ転送速度を設定する必要があります.
(4) SCSI時間監視機構
HDDが備えている以下のSCSI時間監視機構の作動を,表9に示すように禁止または許可します.
- RESELECTIONフェーズでのイニシエータからの応答待ち時間監視.
- INFORMATION TRANSFERフェーズでのREQ信号に対するイニシエータからのACK信号応答待ち時間監視.
表9 SCSI時間監視機構の設定(CNH1)
RESELECTIONフェーズおよびACK信号応答待ち時間監視 | 7-8 |
実行しない | オープン |
実行する | ショート* |
* 工場出荷時の設定
- 留意
- 動作異常などによるSCSIバスのハングアップを防止するために,イニシエータのテストまたはデバッグなどの特別な場合以外は,SCSI時間監視機構を禁止するべきではありません.時間監視機構の動作モードは,他の設定端子で指定することができます.
(5) SCSI時間監視モード
INFORMATION TRANSFERフェーズでのACK信号応答待ち時間監視およびRESELECTIONフェーズでの応答待ち時間監視とリトライ処理のモードを,表10に従って設定します.
表10 SCSI時間監視モードの設定(CNH1)
INFORMATION TRANSFERフェーズの 監視時間 | RESELECTION フェーズの監視 時間 | RESELECTION フェーズのリトライ 回数 | CNH1 7-8 | CNH1 9-10 | CNH1 11-12 |
∞ (無限大) | 約250ms | 128回 | ショート* | ショート* | ショート* |
約30〜60s | 約250ms | 10回 | ショート | ショート | オープン |
約30〜60s | 約250ms | ∞ (無限大) | ショート | オープン | ショート |
約1〜2s | 約1.5ms | 10回 | ショート | オープン | オープン |
∞ (無限大) | 約393ms | ∞ (無限大) | オープン | - | - |
* 工場出荷時の設定
(6) SCSIバスパリティ
SCSIデータバスのパリティビットのチェックを行うか否かを,表11に従って設定します.
表11 SCSIバスパリティの設定(CNH1)
HDDによるSCSIデータバスのパリティチェック | 13-14 |
実行する | ショート* |
実行しない | オープン |
* 工場出荷時の設定
(7) ユニットアテンション報告モード
HDDがユニットアテンション条件を保持しているときに受け取ったコマンドに対する応答方法を,表12に従い設定します.この設定はシステムの要件によって選択しますが,SCSI標準仕様(工場出荷時の設定)を使用することを推奨します.
表12 ユニットアテンション報告モードの設定(CNH2)
ユニットアテンション条件保持状態時のHDDの応答 | 1-2 |
INQUIRYコマンド,REQUEST SENSEコマンド,または PRIORITY RESERVEコマンド以外のコマンドに対しては, CHECK CONDITIONステータスを応答する. (SCSI標準仕様) | ショート* |
受け取ったすべてのコマンドは,正常に実行する. (ユニットアテンション条件に起因したCHECK CONDITION ステータスは報告されない.) | オープン |
* 工場出荷時の設定
(8) スピンドルシンクモード
アレイ構成のような複数台のHDDユニットを用いたシステムにおいて,個々のHDDユニットのCN6間をケーブル接続し,表13に示す設定に従って,HDDユニットの回転同期機能を利用することができます.
表13 スピンドルシンクモードの設定(CNH2)
スピンドルシンクモード | 5-6 | 7-8 |
MODE SELECTパラメータの ページ4によって確定される | ショート | ショート* |
MODE SELECTパラメータの ページ4によって確定される | ショート | オープン |
Masterモード | オープン | ショート |
Slaveモード | オープン | オープン |
* 工場出荷時の設定
(9) モータ起動モード
表14に従って,HDDのスピンドルモータの起動制御方法を設定します.この設定は電源投入時の動作モードを決めるだけであり,どちらのモードを選択しても,スピンドルモータの停止および再起動はSTART/STOP UNITコマンドで制御することができます.
表14 モータ起動モードの設定(CNH2)
スピンドルモータの起動タイミング | 9-10 |
電源投入後,直ちにモータが起動される. | ショート* |
モータの起動はSTART/STOP UNITコマンドで制御 | オープン |
* 工場出荷時の設定
(10) モータ起動遅延モード
複数台のHDDから構成されたシステムにおいて,システムを立ち上げる際および同時にモータが起動される際の突入電流が問題となる場合に,この表15の設定によって,SCSI ID順(0>1>2>3>4>5>6>7)にモータを起動させることができます.なお,この設定はCNH2(9-10)がショート状態のときだけ有効となり,システムの立ち上がり時間としてHDDごとに30秒を要します.
表15 モータ起動遅延モードの設定(CNH2)
スピンドルモータの起動タイミング | 11-12 |
電源投入後,直ちにモータが起動される. | ショート* |
モータの起動はSCSI IDの順(0>1>2>3>4>5>6>7) | オープン |
* 工場出荷時の設定
(11) WRITE/READ RAM許可/禁止
表16の様に設定端子(CNH2)のピン13-14間がショートの場合(デフォルト)はWRITE RAMおよびREAD RAMコマンドは実行されません.このとき,HDDがどれかのコマンドを受領した場合は,CHECK CONDITIONステータス(センスデータ:IRLLEGAL REQUEST/Invalid command operation code"$B!K$rJs9p$7$^$9!%$^$-!$%-!-%W%s$N.class" tppabs="http://www.fujitsu.co.jp/hypertext/storage/setting/m2651s/$B!K$rJs9p$7$^$9!%$^$?!$%*!<%W%s$N.class">l9g$OWRITE RAMおよびREAD RAMのコマンドを実行します.この場合,通常のREAD/WRITE動作に対する有効なデータバッファ空間は,248KBに縮小されます.
表16 WRITE/READ RAM enableの設定(CNH2)
WRITE RAMとREAD RAMコマンドの動作 | 13-14 |
実行しない | ショート* |
実行する | オープン |
* 工場出荷時の設定
(12) SCSI終端抵抗用電源
表17に従って,HDDのSCSI終端抵抗モジュールへの電源供給方法およびSCSIバス上のTERMPWR線の使用方法を設定します.HDDのSCSI終端抵抗回路の構成を図8に示します.
表17 SCSI終端抵抗用電源の設定(CNH4, #CNH5)
SCSI終端抵抗への電源供給方法 | 1-2 | 3-4 |
終端抵抗には,HDD自身およびTERMPWRピンの双方か ら電源を供給する.また,TERMPWRピンにはHDDか ら電源を供給する. | ショート* | ショート* |
TERMPWRピンは未使用とする.HDD上の終端抵抗に は,HDD自身からだけ電源を供給する. | オープン | ショート |
終端抵抗には,HDD自身の電源は供給しない.HDD上 の終端抵抗には,TERMPWRピンからだけ電源が供給 される. | ショート | オープン |
終端抵抗には全く供給しない. | オープン | オープン |
* 工場出荷時の設定
備考. HDDがSCSIケーブルの両端以外の位置に接続される場合には,HDD上には終端抵抗モジュールは搭載しません.
注)#CNH5はM265xHDだけに搭載.
図8 SCSI終端抵抗回路の構成
3 SCSI終端抵抗
工場出荷時,HDDにはSCSI用終端抵抗モジュールが搭載されています.搭載位置については,図9および図10を参照して下さい.これらの終端抵抗モジュールはソケット上に実装されており,SCSIバス上へのHDDの接続位置によって,以下のどれかとします.
- SCSIケーブルの両端のどれかにHDDを接続する場合は,終端抵抗モジュールは搭載したままとし,取り外さないで下さい.
- SCSIケーブルの両端以外の位置にHDDを接続する場合は,搭載されているすべての終端抵抗モジュールを取り外して下さい.
- M265xS: 1モジュール
- M265xH: 3モジュール
- M265xHD:6モジュール
- 留意
-
- 終端抵抗モジュールを取り外すときは,適切な工具を使用し,抵抗モジュールのピンおよび搭載用ソケット,または近接の他の部品にダメージを与えないように十分注意して下さい.
- 終端抵抗モジュールを再取付けする場合は,搭載方向に注意し,確実に装着されていることを確認して下さい.(図9および図10に示します).
* 終端抵抗モジュールの1番ピンを示します.
図9 SCSI終端抵抗モジュール(M265xS)
* 終端抵抗モジュールの1番ピンを示します.
図10 SCSI終端抵抗モジュール(M265xH/M265xHD)
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