M2513

Magneto-Optical Disk Drive

設定ガイド

(C) COPYRIGHT FUJITSU LIMITED
DEC.1995
L0CA01952-4850


このガイドは M2513 をパソコンに組み込むときの設定を解説したものです。
注意: *はデフォルト設定を示します。

基板上の配置

1. 設定スイッチ (SW1, SW2)
設定スイッチの種類と工場出荷時の設定状態を図1 に示します.


スイッチ番号信号名称工場出荷時
SW 101
02
03
SCSI IDOFF
OFF
OFF
04SCSIデータバスパリティチェックON
05SCAMモードOFF
06デバイスタイプモードOFF
07スピンドル自動停止モードOFF
08LEDモードOFF
SW 201ライトキャッシュモードOFF
02論理仕様タイプ1OFF
03マッキントッシュモードOFF
04ベリファイモードOFF
05論理仕様タイプ0OFF
06SAVE DATA POINTER メッセージモードOFF
07ダウンロードモードOFF
08工場試験モード(ユーザ設定禁止)OFF
図1 設定スイッチ (SW1, SW2)

(1)SCSI ID
表1 に光ディスク装置自身のSCSI ID の設定を示す.
表1 SCSI ID の設定 (SW1)
SCSI IDSW1-01SW1-02SW1-03
0*OFF OFFOFF
1OFF OFFON
2OFF ONOFF
3OFF ONON
4ON OFFOFF
5ON OFFON
6ON ONOFF
7ON ONON
* :工場出荷時の設定

重 要
1)同一のSCSIバス上に接続されるSCSIデバイス間で,SCSI IDが重複
しないように設定すること.
2)ARBITRATIONフェーズで競合した場合のSCSI使用権の優先順位は,
以下のようにSCSI IDによって決まる.
7>6>5>4>3>2>1>0

(2)SCSIデータバスパリティチェック
表2 にSCSIデータバスのパリティチェックを行うか否かの設定を示す.なお,光ディスク装置が送出するデータは本設定に関わらず, パリティが保証されている.

表2 SCSIデータバスパリティの設定
光ディスク装置によるSCSIデータバスのパリティチェック設定端子(SW1-04)
チェックを実行するON *
チェックを実行しないOFF
* : 工場出荷時の設定

(3) SCAMモード
表3 に光ディスク装置からSCAMモードを使用するか否かの設定を示す.

表3 SCAMモードの設定 (SW2)
SCAMモード設定端子(SW1-05)
必要に応じて光ディスク装置からSCAMモードを使用するON
光ディスク装置からはSCAMモードを使用しないOFF *
* : 工場出荷時の設定

(4) デバイスタイプモード
表4 に, 光ディスク装置に対してINQUIRY コマンドが発行されたときに返すデバイスタイプの設定を示す.

表4 デバイスタイプモードの設定 (SW2)
デバイスタイプ設定端子(SW1-06)
X'07' (光メモリ装置)ON
X'00' (ダイレクトアクセス装置)OFF *
* : 工場出荷時の設定

(5)スピンドル自動停止モード
通常, ディスク媒体がローディングされている状態ではSTART/STOP UNITコマンドに よってスピンドルの停止を命じられるまで, スピンドルは回転を維持する.スピンドル 自動停止機能とは, ホストからコマンドが約30分間(デフォルト値)以上発行されなか った場合に自動的にスピンドルを停止させる機能である. 自動的に停止している状態で ホストからコマンドが発行された場合, 光ディスク装置は再びスピンドルを回転させ, ノットレディ状態を通知することなく,レディ状態であった場合と同様に処理を行う. 表5 にスピンドル自動停止モードの設定を示す.
ホストからのアクセス監視時間はデフォルトで約33分であるが,MODE SELECT コマンドによって変更することができる.
スピンドル自動停止モードは,MODE SELECT コマンドでも変更することができる.

表5 スピンドル自動停止モードの設定

スピンドル自動停止モード設定端子(SW1-07)
任意の時間ホストからアクセスがなかった場合に自動的にスピンドルを停止する.ON
スピンドルを自動的に停止しない.OFF *
* : 工場出荷時の設定

重 要

スピンドル自動停止機能の特徴は次のとおりである.
ディスク媒体エラーの原因となる塵埃の付着を大幅に抑制することができる.
スピンドルの起動に数秒かかるため, 迅速なレスポンスが要求されるシステムには適さない.

(6) ライトキャッシュモード
ライトキャッシュ機能のデフォルト設定を指定する.MODE SELECT コマンドによって有効または無効を指定することもできる.ただし,その値はセーブできない.
また, ライトキャッシュモードが有効のときは,SCSI-1仕様に設定されていてもモードパラメタのコードページにキャッシュコントロールページが追加される.表6 にライトキャッシュモードの設定を示す.

表6 ライトキャッシュモードの設定
ライトキャッシュモード設定端子(SW2-01)
WRITE/WRITE AND VERIFYコマンド時にライトキャッシュをする.ON
WRITE/WRITE AND VERIFYコマンド時にライトキャッシュをしない。OFF *
* : 工場出荷時の設定

重 要
ライトキャッシュ機能が有効な場合,書込みエラーは次のコマンドの
終了ステータスで報告される.イニシエータがコマンドリトライをする
ようなシステムでは正しくリトライされないので使用にあたっては十分
な注意が必要である.

(7) ベリファイモード
ベリファイ機能のデフォルト設定を指定する.ベリファイモードが無効の場合は,WRITE コマンドのときにベリファイ動作を実施しない.ベリファイ動作を無効とした場合はライト処理が約20%(状況による)高速に処理される.表7 にベリファイモードの設定を示す. MODE SELECT コマンドによって, 有効または無効を指定することもできる.ただし,その値はセーブできない.

表7 ベリファイモードの設定
ベリファイモード設定端子(SW2-04)
WRITEコマンド時にベリファイ動作をしない(無効)ON
WRITEコマンド時にベリファイ動作をする(有効)OFF *
* : 工場出荷時の設定

 データ消失

ベリファイ機能が無効の場合は書込みデータ品質が保証されないので,
重要なデータの格納に使用すべきでない.重要なデータの格納に使用す
る場合は,ファイルを二重化するなどのシステム的な予防策が必要である.

(8)論理仕様タイプ
コマンド仕様およびメッセージ仕様を指定する.SCSI-1仕様は旧装置 (M2511A) と仕様の互換性がある.表8 にコマンド仕様およびメッセージ仕様の設定を示す.

表8 論理仕様タイプの設定
コマンド仕様およびメッセージ仕様設定端子(SW2-05)
論理仕様タイプ0
設定端子(SW2-02)
論理仕様タイプ1
SCSI-1仕様OFF *OFF *
SCSI-2仕様ONOFF
未使用(設定禁止)OFFON
未使用(設定禁止)ONON
* : 工場出荷時の設定

(9) マッキントッシュモード
光ディスク装置のSCSI動作をマッキントッシュに接続可能となるように変更する.
表9 にマッキントッシュモードの設定を示す.
マッキントッシュ以外に接続するときは,オフとすべきである.

表9 マッキントッシュモードの設定
マッキントッシュモード設定端子(SW2-03)
マッキントッシュ接続可能ON
マッキントッシュ接続不可能OFF *
* : 工場出荷時の設定

(10) LED モード
光ディスク装置前面のLED 点灯時の意味を設定する.表10にLED モードの設定を示す.

表10 LED モードの設定
LED モード 設定端子(SW1-08)
ポジショニング, リード, ライト, ロード,イジェクト動作中
はLED を点灯する.パワーオン診断中も点灯する.
パワーオン診断エラー検出時は1秒間隔, サーマルアラーム検
出時は2秒間隔で点滅する.
OFF *
ポジショニング, リード,ライト, ロード, イジェクト動作中
はLED を消灯し,それ以外のときは点灯する.パワーオン診断
中も点灯する.
パワーオン診断エラー検出時は1秒間隔, サーマルアラーム検
出時は2秒間隔で点滅する.
ON
* : 工場出荷時の設定

(11) SAVE DATA POINTER メッセージモード
ディスコネクト動作時において,DISCONNECTメッセージを送出する前にSAVE DATA POINTER メッセージを送出するかどうかを設定する.SAVE DATA POINTER メッセージを送出するモードに設定することを推奨する.表11にSAVE DATA POINTER メッセージモードの設定を示す.

表11 SAVE DATA POINTER メッセージモードの設定
SAVE DATA POINTERメッセージモード設定端子(SW2-06)
DISCONNECTメッセージを送出する前に,SAVE DATA POINTER
メッセージを送出する.
OFF *
DISCONNECTメッセージを送出する前に,SAVE DATA POINTER
メッセージを送出しない
ON
* : 工場出荷時の設定

2. SCSIバス終端電源供給方式
SCSIバスのTERMPWR ピンおよび光ディスク装置内の終端抵抗の電源供給方式を設定する.
表12にSCSI終端抵抗の電源供給方法の設定を示す.

表12 SCSI終端抵抗の電源供給方法
SCSI終端抵抗の電源供給方法設定端子1-2
(CNH1)
設定端子3-4
(CNH1)
光ディスク装置自身およびTERMPWR ピンの双方から電源供給SHORT *SHORT *
光ディスク装置自身だけから電源供給(TERMPWR未使用)SHORTOPEN
TERMPWR ピンだけから電源供給(光ディスク装置の電源は
未使用)
OPENSHORT
電源供給なしOPENOPEN
* : 工場出荷時の設定

3. 終端抵抗モード
プリント回路基板上の終端抵抗モジュールの有効または無効を設定する.光ディスク装置がSCSIバスの最終端以外のときは無効にしなければならない.
表13に終端抵抗モードの設定を示す.

表13 終端抵抗モード
終端抵抗モード設定端子5-6
(CNH1)
プリント回路基板上の終端抵抗モジュールが有効SHORT *
プリント回路基板上の終端抵抗モジュールが無効OPEN
* :工場出荷時の設定

4.CNH2 (外部設定)
ピン機能
1カートリッジ挿入検出
2SCSI ID 4
3LED電源 (+5V)
4SCSI ID 2
5LED電源 (-)
6SCSI ID 1
7カートリッジ排出信号
8アース(0V)
9デバイスタイプモード
10スピンドル自動停止モード
11マッキントッシュモード
12アース(0V)
13ベリファイモード
14論理使用タイプ0
15SCSI終端抵抗モード
16アース(0V)


注:ケーブル長は30cm以内のこと

M2513取り扱い上の注意
取り付け方法
部品実装基盤を上にした方向と両側面を下にした方向の3つの向きに取り付けできます。

カートリッジの取り出し
カートリッジはイジェクトスイッチとSCSIコマンドによって取り外すことができます。緊急時以外はマニュアルイジェクト機構によるカートリッジの取り出しをしないでください。

レンズと媒体清掃
ヘッド部のレンズは6ヶ月1度清掃してください。カートリッジの中の媒体は3ヶ月に1度清掃してください。よごれのつきやすい環境で使用する場合はより頻繁に清掃する必要があるかもしれません。清掃するときは富士通純正のヘッドクリーナとクリーニングキットを使用してください。純正品以外のものは効果がありません。



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