M2511A:設定

光ディスクドライブをシステムに塔載する前に,ユーザは以下の設定端子,設定スイッチ,およびSCSI終端抵抗のセッティングを行う必要があります.

図1に,これらの設定端子,設定スイッチ,およびSCSI終端抵抗の位置を示します.

留意
  1. 本節に記述されていない設定端子は,ユーザによる変更が禁止されています.工場出荷時の状態を変更しないで下さい.

  2. 電源投入状態で,設定端子の変更を行わないで下さい.

  3. 設定端子の短絡には,工場出荷時に装着されている専用短絡プラグを使用して下さい.

設定項目を以下に示します.


1 設定スイッチ(SW1,SW2)

設定スイッチの種類と工場出荷時の設定状態を図2に示します.

SW1SW2

_スイッチ番号信号名称工場出荷時
SW101
02
03
04
NC
SCSI ID(SCID4)
SCSI ID(SCID2)
SCSI ID(SCID1)
OFF
OFF
OFF
OFF
SW201
02
03
04
05
06
07
08
SCSIデータバスパリティチェック
同期転送モード
デバイスモード
スピンドル自動停止モード
Mode Select/Senseモード
工場試験モード(ユーザ設定禁止)
MACモード
工場試験モード(ユーザ設定禁止)
ON
OFF
OFF
ON
OFF
OFF
OFF
OFF
図2 設定スイッチ(SW1,SW2)

(1) SCSI ID(SW1)

表1に光ディスクドライブ自身のSCSI IDの設定を示します.

表1 SCSI IDの設定(SW1)
SCSI IDスイッチ 02スイッチ 03スイッチ 04
0 *OFFOFFOFF
1OFFOFFON
2OFFONOFF
3OFFONON
4ONOFFOFF
5ONOFFON
6ONONOFF
7ONONON
* 工場出荷時の設定

重要
  1. 同一のSCSIバス上に接続されるSCSIデバイス間で,SCSI IDが重複しないように設定して下さい.

  2. ARBITRATIONフェーズで競合した場合のSCSI使用権の優先順位は,以下のようにSCSI IDによって決まります.

    7 > 6 > 5 > 4 > 3 > 2 > 1 > 0

(2) SCSIデータバスパリティチェック(SW2)

表2にSCSIデータバスのパリティチェックを行なうか否かの設定を示します.なお,光ディスクドライブが送出するデータは本設定に関わらず,パリティが保証されています.

表2 SCSIデータバスパリティの設定(SW2)
光ディスクドライブによるSCSIデータバスのパリティチェック設定端子(SW2-01)
実行するON *
実行しないOFF
* 工場出荷時の設定

(3) 同期転送モード(SW2)

表3に光ディスクドライブからSYNCHRONOUS DATA TRANSFER REQUESTメッセージを送信するか否かの設定を示します.

表3 同期転送モードの設定(SW2)
同期転送モード設定端子(SW2-02)
必要に応じて光ディスクドライブからSDTRメッセージの交換を開始するON
光ディスクドライブからはSDTRメッセージの交換を開始しないOFF *
(SDTR : SYNCHRONOUS DATA TRANSFER REQUEST)
* 工場出荷時の設定

重要
  1. 本設定は非同期モード転送の動作には何も影響しません.

  2. 同期モード転送の最大データ転送速度は光ディスクドライブとイニシエータ間でのSYNCHRONOUS DATA TRANSFER REQUESTメッセージの交換によって決定されます.

イニシエータはシステムのSCSIバスの信号伝送特性とイニシエータ自身のデータ受信能力を十分に考慮して,メッセージ交換時に光ディスクドライブに送信するパラメタを設定する必要があります.
光ディスクドライブは最大4.0MB/sまでの同期モード転送を実行できますが,SCSIバスの構成とその伝送特性はシステムによって異なるため,実際に安定したデータ転送を実行可能な転送速度の上限は,システムごとに固有に決定する必要があります.

(4) デバイスモード(SW2)

表4に,光ディスクドライブに対してINQUIRYコマンドが発行されたときに返すデバイスタイプの設定を示します.

表4 デバイスモードの設定(SW2)
デバイスモード設定端子(SW2-03)
光メモリーデバイス(X'07')を返す.ON
ダイレクトアクセスデバイス(X'00')を返す.OFF *
* 工場出荷時の設定

(5) スピンドル自動停止モード(SW2)

通常,ディスク媒体がローディングされている状態ではSTART/STOP UNITコマンドによってスピンドルの停止を命じられるまで,スピンドルは回転を維持します.スピンドル自動停止機能とは,ホストからコマンドが約7分間以上発行されなかった場合に自動的にスピンドルを停止させる機能です.自動的に停止している状態でホストからコマンドが発行された場合,光ディスクドライブは再びスピンドルを回転させ,ノットレディ状態を通知することなく,レディ状態であった場合と同様に処理を行ないます.表5にスピンドル自動停止モードの設定を示します.
スピンドル自動停止までの時間はSCSIのコマンドMode Selectで変更することができます.設定時間は7分,15分,33分または55分です.

表5 スピンドル自動停止モードの設定(SW2)
スピンドル自動停止モード設定端子(SW2-04)
有効ON *
無効OFF
* 工場出荷時の設定

留意
スピンドル自動停止機能の特徴は次のとおりです.

(6) Mode Select/Senseモード(SW2)

Mode Select/SenseでBlock Discriptor/Page 01の長さを抑制します.
表6にMode Select/Senseモードの設定を示します.

表6 Mode Select/Senseモードの設定(SW2)
Mode Select/Senseモード設定端子(SW2-05)
Page 01が10-ByteでBlock Descriptorがある.ON
Page 01が6-ByteでBlock Descriptorがない.OFF *
* 工場出荷時の設定

(7) MACモード(SW2)

MACを接続した場合に発生するSCSI上の問題点(UNIT ATTENTIONの発生を止める)の対処を指定します.
表7にMACモードの設定を示します.

表7 MACモードの設定(SW2)
MACモード設定端子(SW2-07)
UNIT ATTENTIONを返さない.ON
UNIT ATTENTIONを返す.OFF *
* 工場出荷時の設定


2 SCSI終端抵抗用電源の設定(CNH1)

表8に光ディスクドライブ上のSCSI終端抵抗モジュールへの電源供給方法およびSCSIバスのTERMPWR線の使用方法の設定を示します.また,図3に光ディスクドライブのSCSI終端抵抗回路の構成を示します.

表8 SCSI終端抵抗用電源の設定(CNH1)

3 SCSI終端抵抗

M2511AのSCSI終端抵抗機能の有効/無効は,終端抵抗の取付けまたは取外しによって設定可能です.SCSI終端抵抗の処置は光ディスクドライブの実装位置によって以下のどちらかとします.

  1. SCSIケーブルの両端のどちらかに光ディスクドライブを接続する場合は,終端抵抗を取り付けます.

  2. SCSIケーブルの両端以外の位置に光ディスクドライブを接続する場合は,終端抵抗を取り外します.


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