M1603SX/SA/SB,M1606SX/SA/SB(アクティブターミネータバージョン):スイッチの設定

設 定

HDDをシステムに搭載する前に、ユーザは以下の設定端子のセッティングをおこなう必要があります。
・ 設定端子:CNH1,CNH3
図1に、これらの設定端子の位置を示しています。


重 要
  1. 本節に記述されていない設定端子は、ユーザによる変更が禁止されています。
    工場出荷時の設定状態を変更してはいけません。
  2. 電源投入状態で、設定端子の設定変更をおこなってはいけません。
  3. 設定端子の短絡には、工場出荷時に装着されている専用短絡プラグを使用するようにお願いします。

設定端子の位置
図1 設定端子の位置
重 要
以下の説明において、設定端子の"ショート"および"オープン"は次の意味で使用されます。
ショート : 指定されるピン間に短絡プラグを取り付けた状態
オープン : 指定されるピン間から短絡プラグを取り外した状態

設定端子(CNH1およびCNH3)


設定端子の種類と工場出荷時の設定状態を図2に示します。
設定端子(CNH1およびCNH3)

設定端子(CNH1およびCNH3)

図2 設定端子 (CNH1およびCNH3)

(1)SCSI ID

表1 に示すようにHDD 自身のSCSI ID を設定します。ただし,外部オペレータパネルからSCSI ID を設定する場合は,すべてオープンにしておく必要があります。
備考:"Plug and Play"で使用する場合は、SCSI IDを6に設定することを推奨致します。

表1 SCSI ID の設定 (CNH1)
SCSI ID5-63-41-2
0オープンオープンオープン*
1オープンオープンショート
2オープンショートオープン
3オープンショートショート
4ショートオープンオープン
5ショートオープンショート
6ショートショートオープン
7ショートショートショート
*工場出荷時の設定

重 要

  1. 同一のSCSIバス上に接続されるSCSIデバイス間で、重複したSCSI IDが存在しないように設定してください。
  2. ARBITRATIONフェーズで競合した場合のSCSIバス使用権の優先順位は、以下のようにSCSI IDによって決まります。
    7>6>5>4>3>2>1>0

(2) モータ起動モード
表2 に従って, HDD のスピンドルモータの起動制御方法を設定します。この設定は電源投入時の動作モードを決めるだけであり,どちらのモードを選択しても、スピンドルモータの停止および再起動はSTART/STOP UNIT コマンドで制御することができます。


表2 モータ起動モードの設定 (CNH1)
スピンドルモータの起動タイミング7-8
電源投入後、直ちにモータが起動するショート*
モータ起動時は START/STOP UNIT コマンドで制御オープン
*工場出荷時の設定

(3) SDTR(Synchronous Data Transfer Request)
表3に従って、TRAGからの同期モードデータ転送要求を許可するか否かを指定します。

表3. SDTRの設定(CNH1)
HDDからのSDTRメッセージの送出9-10
同期モードデータ転送の確立が必要な場合でも、HDDからSDTRメッセージを送出することはありません。ただし、INITからSDTRメッセージが送出されると、HDDは正常に応答を行います。ショート *
電源投入後、RESETコンディション発生後または、BUS DEVICE RESETメッセージ受領後に、発行された最初のコマンド受領時に、INITからSDTRメッセージが送出されない場合、HDDはSDTRメッセージを送出して同期モードデータ転送の確立を試みます。オープン
* 工場出荷時の設定

(4) リセレクションリトライ
表4に従って、リセレクションフェーズでのリトライ回数を指定します。

表4 リセレクションリトライの設定(CNH1)
リトライ回数11-12
制限なしショート*
10回オープン
*工場出荷時の設定

(5) 終端抵抗
表5に従って、アクティブターミネータのディセーブル/イネーブルを切り替えます。
図3 に,HDD のSCSI終端抵抗の構成を示しています。

表5 終端抵抗の設定(CNH1)
終端抵抗15-16
イネーブルショート*
ディセーブルオープン
*工場出荷時の設定

  1. SCSI ケーブルの両端のどちらかにHDD を接続する場合は,CNH1 15-16をショートしアクティブターミネータをイネーブルにします。
  2. SCSI ケーブルの両端以外の位置にHDD を接続する場合は,CNH1 15-16をオープンにしアクティブターミネータをディセーブルにします。
  3. "Plug and Play"で使用する場合は、CNH1 15-16をオープンにして、アクティブターミネータをディセーブルにします。

SCSI終端抵抗回路の構成
図3.SCSI終端抵抗回路の構成
(6) SCSI終端抵抗用電源
表6に従って、HDD上のSCSI終端抵抗モジュールへの電源供給方法およびSCSIバス上のTERMPWR線の使用方法を設定します。図3に,HDDのSCSI終端抵抗回路の構成を示しています。

表6 SCSI終端抵抗用電源の設定(CNH3)
SCSI終端抵抗への電源供給方法3-41-2
終端抵抗には、HDD自身およびTERMPWRピンの双方から電源を供給する。また、TERMPWRピンにはHDDから電源を供給する。ショートショート*
TERMPWRピンは未使用とする。HDD上の終端抵抗には、HDD自身だけから電源を供給する。オープンショート
終端抵抗には、HDD自身の電源は供給しない。
HDD上の終端抵抗には、TERMPWRピンだけから電源が供給される。
ショートオープン
*工場出荷時の設定

(7) SCAM環境条件
アクティブターミネータバージョンHDDのSCAM機能を有効にするには、以下の条件を満たす必要があります。
  1. SCAM非トレタントデバイスをバス上で許可していない。
  2. SCAMイニシエータだけをバス上で許可している。(非SCAMイニシエータは接続不可)
  3. 最大1台のレベル1SCAMイニシエータと複数のレベル2SCAMイニシエータをバス上で認める。
  4. バス上のすべてのSCAMトレラントデバイスとレベル1SCAMターゲットデバイスは、SCAMイニシエータより以前に、または同時に電源が投入されている。
  5. SCAMイニシエータがレベル1SCAMイニシエータだけである場合、すべてのデバイスはレベル1SCAMイニシエータより以前に、または同時に電源が投入されている。そうでない場合は、レベル1SCAMイニシエータは、その後のRESET CONDITIONまでバス上のレベル2SCAMターゲットを検出できない。

さらに、以下の条件を満たすことを推奨する。

  1. アクティブターミネータバージョンHDDがSCSIバス上の末端以外に接続されている場合は、CNH115-16ピンの終端抵抗イネーブル/ディセーブルの設定をディセーブルにする。
  2. SCSI IDのジャンパ設定を6にする。

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